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DABO - ダボ

ダボ

 

日本で“もっともラップが巧い”とされるMCであり、独立精神を忘れないBABY MARIO PRODUCTIONの主、そして“マッカちゃん”などのキャラクターを続々と生み出してきたDEFな絵描き、そしてBlogやTwitter、その延長戦上にある自身初の著作物『札と月』(トランスワールド・ジャパン刊)では、短編小説『コンプレックス』も発表した、多彩かつ常にB-BOYマインドを感じさせる、極めて現代的な多面体の「表現者(PCやケータイ、紙でも魅せるエンターテイナー)」。

15~16の多感な年頃にヒップホップという名の電流に打たれ、中でも「ラッパー」に魅力を感じた彼は、数年の「鏡の前のダイヤモンド(原石)」状態を経て、上京後にDJ HAZIME、K-BOMB、SUIKENらと知り合い、’96年にはCHANNEL5をノリで結成。「ムロの塾生 雷小僧 宇田川の申し子 後のNITRO」(from「SWEET 90’s BLUES」)というラインにもあるように、当時の日本語ラップ・シーンの象徴的なイヴェント『さんピンCAMP』のずぶ濡れの日比谷野音のステージで、主役の背後から確実に自分の未来をイメージしていた彼は、そのMUROのステージでサイドマイクを務めていた盟友MACKA-CHINらとSHAKKAZOMBIEの「共に行こう-Version Pure-」(PVあり)にフューチュアリング参加し、その後自然発生的に始まったNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDで、アンダーグラウンドからオーバーグラウンドまでを震撼させる事に。

ソロでは’99年に「Mr.Fudatzkee」でデビューしていた彼は、NITROに続く形で新設されたDEF JAM JAPANと“初のソロ・アーティスト”として契約。常にサンプリング技術(パクリちゃうで!)と、誰も思いつかなかった言い得て妙なフレーズが交錯し、“落ち”の引き出しも多い、その“ヒップホップ愛とトンチ”の塊のような独自のラップ・ワールドを暗に喩えたデビュー・アルバム『PLATINUM TONGUE』(’01)は“新たなるラップ・ヒーロー”待望論渦巻く中その期待に見事に応えた大ヒットを記録し、ヒップホップ専門誌のみならず『ミュージック・マガジン』等の音楽誌でベスト・アルバム(ヒップホップ部門)に選出される。同作収録でリカットもされた「レクサスグッチ」は、当時は稀だったサウスのバウンスを取り入れたフロウ&サウンドで「日本語ラップのかからない」クラブをも席捲、初のソロ・ツアーも大盛況に。

その後も数々の客演仕事をこなしながら(ZEEBRAからCHEMISTRY、 BoAまで)、いつも現場、しかも最前線にいる“シーンの顔”として支持を集めた彼は、2nd『HITMAN』(’02)、3rd 『Diamond』(’03)といった力作アルバムを発表し、3rdリリース前に立ち上げた自身のクリエイティヴィティを保ち、高めつつ、後続を育成するためのプロダクション=BABY MARIO PRODUCTIONからは、ミニ・アルバム『6 Bullets』(’04)や、MACKA-CHINとのデュオ=MABOでのアルバムをリリースした後(同年にはNITROの2ndも)、’06年にシングル「おはようジパング」で EMI MUSIC JAPANへ移籍。続いて4th『THE FORCE』(’06)、’07年には東京を中心に全国のフッドスター、ニューカマーらとリンクしたサントラのようなスケール感の『BABY MARIO WORLD-DABO PRESENTS B.M.W. Vol.1』(同年11月にはNITROの3rdもドロップ)、また、NITROの10周年イヤーとしても沸いた’09年には自身の膨大な録音記録を2枚のベスト+DJ HAZIMEのミックスで纏め上げた『I’M THE BEST』をリリース。自作へのアップカミングなMC、シンガー、ビートメイカーの積極的な起用からも解るように、ヒップホップ・シーン全体の活性化こそが第一義と考え、実践する彼は、「Tokyo Shit」や「Tokyo State Of Mind」など、YouTube他を通じて“Rep地元アンセム”で全国を繋ぐムーヴメントを興し、勇気を与えている。

’09年暮れには、前年からスタートした好評熱筆ブログ『Paper Moon Man』を中心とした、音がない(のに聴こえてくる!?)表現を追求したかのような、書き下ろしの小説あり、漫画あり、対談ありの自身初となる著作『札と月』を上梓。また人間DABOの様々な側面を垣間見せる、粋な140字GPS(?)=Twitterのフォロワーは早々と12000人突破、と途轍もない影響力を持つ彼が放つ待望5thアルバムは、日本では稀な“みんなで踊れる振り付け”がYouTubeを通じて全国のクラブからダンス・スタジオに伝播した「デッパツ進行」に、DJ HAZIMEの指揮の下、ANARCHY、KREVAとマイクを廻した「I Rep」という’00年の2大アンセムを搭載した、進化し続けるDABOの「今」を映し出した大作、となっている。

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